EVE エヴァ
《アダム》とともに《地獄の門》の脇に立てる巨像のため、1881年頃に制作されたが、この案は経済的な理由から実現されなかった。ロダンは、「豹のしなやかさと優美さ」を具えた美しい肉体を持つモデルを使って制作していたが、彼女が妊娠していたため頭部と両足は未完成のまま中止された。その後縮小された《エヴァ》の大理石像などが制作されているが、この等身像は1899年のサロンに出品されるまで発表されなかった。1906-07年に、ロダンはブールデルに石膏原型に基づく石灰石像を彫らせ、この時、頭部と両足を完成させるため新しいモデルを使うことを許したと言う。当館所蔵の《エヴァ》は、この石像による鋳造と考えられる。(出典: 『国立西洋美術館名作選』東京, 国立西洋美術館, 2006)
(大屋美那監修/編集『手の痕跡 : 国立西洋美術館所蔵作品を中心としたロダンとブールデルの彫刻と素描』 展覧会図録、東京:国立西洋美術館、2012年)
制作年
1907年(原型)、1945年(鋳造)
材質・技法・形状
ブロンズ
寸法(cm)
174 x 67 x 77
署名・年記
台座右側面に署名: A. Rodin; 台座背面右下に鋳造銘: Alexis Rudier / Fondeur Paris.
所蔵経緯
松方コレクション
Standard ref.
M1266
分類
彫刻
所蔵番号
S.1959-0018
来歴
松方幸次郎氏購入; 1944年フランス政府が接収; 1959年フランス政府より寄贈返還.
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