EMBRACING BACCHANTES 抱きあうバッカントたち

バッカントはギリシャ神話の酒神バッカスをとりまく巫女たちで、ロダンの彫刻ではファウナ同様、女性の裸体像の題名にしばしば用いられます。ふたりの女性が抱き合う構成ですが、よく見るとひとりの女性の足は蹄があり毛に覆われており、半獣であることが示されます。これらの女性像も《地獄の門》のために制作されたものです。《抱きあうバッカントたち》の構成自体は1896年以前に制作されたものと考えられていますが、国立西洋美術館所蔵作は、1910年以前に制作された大理石像がもとになっています。本ブロンズ像は、パリの法律家ポール・エスクディエ旧蔵のこの大理石像を型取りし、 1926-27年頃にアレクシス・リュディエ鋳造所で鋳造した3点のうちの1点です。

(大屋美那監修/編集『手の痕跡 : 国立西洋美術館所蔵作品を中心としたロダンとブールデルの彫刻と素描』 展覧会図録、東京:国立西洋美術館、2012年)

制作年

1900年以前

材質・技法・形状

ブロンズ

寸法(cm)

18 x 16 x 12

署名・年記

台座右側面に署名: A. Rodin; 台座背面右下に鋳造銘: A. Rudier. Fondeur. Paris

所蔵経緯

松方コレクション

Standard ref.

M1251

分類

彫刻

所蔵番号

S.1959-0003

来歴

松方幸次郎氏購入; 1944年フランス政府が接収; 1959年フランス政府より寄贈返還.

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