BUST OF YOUNG GIRL WITH FLOWERS IN HER HAIR 髪に花を飾る少女

ロダンが初期に制作した一連の女性像のうちの1点です。同時期に制作された《鼻のつぶれた男》や《エイマール神父の胸像》などの男性像においては個性が誇張され、一般には美しいととらえられない特徴を露わにするのと比較すると、これらの女性像では魅力的な顔つきをした少女たちが、装飾的な飾りを身につけ、愛らしい作品にまとめあげられています。こうしたロダンの女性表現は、しばしば18世紀フランス美術の流れを汲むといわれるほか、プティ・エコールで一時期指導を受けたジャン=バティスト・カルポー(1827-1875)による若々しい笑顔の女性像を想起させます。

(大屋美那監修/編集『手の痕跡 : 国立西洋美術館所蔵作品を中心としたロダンとブールデルの彫刻と素描』 展覧会図録、東京:国立西洋美術館、2012年)

制作年

1870年頃

材質・技法・形状

ブロンズ

寸法(cm)

50 x 35 x 26

署名・年記

左肩縁に署名: A. Rodin; 右肩背面に鋳造銘: ALEXIS. RUDIER. / FONDEUR. PARIS

所蔵経緯

松方コレクション

Standard ref.

M1277

分類

彫刻

所蔵番号

S.1959-0029

来歴

松方幸次郎氏購入; 1944年フランス政府が接収; 1959年フランス政府より寄贈返還.

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