BROTHER AND SISTER 姉と弟

まだ幼い弟を膝に乗せた少女という設定の《姉と弟》では、女性像にカミーユ・クローデルの《束をもつ若い女性》(1887年以前、個人蔵)との類似が指摘されます。クローデルの作品に触発されたロダンは《ガラテア》(1888年頃、大理石、パリ、ロダン美術館所蔵)を制作しており、本作は右腕の位置が異なるもののそれに由来します。腰掛けた女性と幼児の組み合わせということでは、《地獄の門》の左柱にもその類例を見ることができます。1900年に開催されたロダン回顧展出品以降、人気を博した本作は多数ブロンズに鋳造されました。

(大屋美那監修/編集『手の痕跡 : 国立西洋美術館所蔵作品を中心としたロダンとブールデルの彫刻と素描』 展覧会図録、東京:国立西洋美術館、2012年)

制作年

1890年頃

材質・技法・形状

ブロンズ

寸法(cm)

40 x 22 x 20

署名・年記

台座背面に署名: A. Rodin; 台座背面に鋳造銘: ALEXIS RUDIER. / FONDEUR. PARIS.

所蔵経緯

松方コレクション

Standard ref.

M1269

分類

彫刻

所蔵番号

S.1959-0021

来歴

松方幸次郎氏購入; 1944年フランス政府が接収; 1959年フランス政府より寄贈返還.

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